順風満帆だったはずなのに、急逝した親友。亡くなる直前の異常行動について、信じ難い思いを抱きつつも、過去の記憶を掘り起こしていくと…
突然、来なくなった部長
ここまでのながれ → 自死と事故死の境目「親友の死」①
部活動は新人体制へ
その頃、部活動では、先輩が引退し新体制を決める時期でした。
私たちが所属した吹奏楽部は地区大会では、毎年優勝しています。
他地区の強豪校と競い合い、県大会で1位を取ることを目標として活動している部でした。
全国大会に駒を進めるには至りませんが、他部の生徒からも、一目置かれていました。
部員の中には部活での楽器練習を音楽大学受験へと つなげる生徒もいました。
部活動の練習内容も充実していて、歴代部長はそれを取り仕切る重責を担っていました。
“いじられキャラ”が副部長?
新部長は部員から信望の厚い「ふー」の就任に、すでに誰もが納得していました。
副部長については、適任と思われる部員が複数いるものの、絞り込むには決め手に欠けている状態。
副部長就任に意欲がありつつも、立候補せず 様子見の面々同士が ハラを探り合っていました。
そして、「副部長意欲アリ」以外の人に 納得の落としどころを得たよう。
その結果、
いつも「ふー」と一緒にいる私でいいだろう、となりました。
ただのいじられキャラなのに。
人望があるわけでもなく、それどころか「こばか」にされていたぐらいの私なのに。
私としては不本意でしたが、ま、“副”なんたらというのは事実上、無役に近いように思っていたので、
深く考えず、その流れのままにしておきました。
事情説明なしの不在
ところが、新体制での練習が始まり、何日も経たないうちに、「ふー」が部活動に来なくなったのです。
顧問の先生に理由を尋ねたら、何か深刻な様子で、「そっとしておく」ように言われました。
私と「ふー」のやりとりの頻度は、中1の頃がピークとして、徐々に減ってはいましたが、
一番の友達に違いはありません。
電話したり「ふー」の学級に押しかけて(学校の規模が大きく、他棟の校舎だった)話を聞きたかったのですが、
「そっとしておく」指示が出たため、事情を知ることもできません。
毎日の部活動で顔を合わせるはずの流れが滞り、「ふー」本人から発信されるものもない状態。
家族の誰かが亡くなったのか?いきなり大病?
いずれにしろ、なぜ連絡をくれないのだろうと、悶々としました。
続きをごらんください → 鮮やかさと混沌の中学時代「親友の死」⑫
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