突然、部活練習に来なくなった部長。部をまとめる役割は「いじられキャラ」の私にのしかかり、辛酸をなめました。そして、次年度を迎え…
中学最後の大会を前に、行われた壮行式
ここまでのながれ → 自死と事故死の境目「親友の死」①
壮行式での代表あいさつ
中学3年生の夏、コンクール出場直前、校内で壮行式が行われます。
どの部についても、大会の前に行われるものですが、全校生徒の前で部長が抱負を述べたり、各部の活動の一部を紹介するものです。
私が、部の代表として発表する流れです。
1500人の大観衆の前で、何かを言うなんて初めてのこと。
緊張して出番に備えていました。
笑顔全開で部長あいさつをしたのは…
部長あいさつの段となり、呼ばれたら起立するつもりで脇に座っていましたが、
なんと、私が呼ばれる前に「ふー」が登壇したのです。
あれ以降、一切部活に来ていない「ふー」が。
私は、何が起こっているのか理解できませんでした。
壇上に立つ「ふー」は、あたかも、部長としてずっと練習を推進してきたかのような内容を、よどみなく語っていました。
笑顔全開で。
しばらく、茫然としました。
部員らを見ると、壇上を凝視していました。
表情には、私同様、とまどいや混乱が感じられました。
特に、同学年部員らの表情には、ただならぬ違和感が 見て取れました。
人目のない場所に引っ込み大泣き
その後、大会で発表する曲の一部を演奏し、壮行式を終えました。
楽器の撤収作業中、同学年部員のYさんが近づいて来て、
「(あの代表挨拶は)あなたがやるべきだったよね。」と、私に言いました。
私は、大勢の前で何か言うなんて苦手だし、むしろ助かったと言っておいたものの、
人目がない場所に引っ込み、大泣きしました。
努力が報われた思い
私にそう言ったYさんは、「ふー」の大ファンでした。
ほとんど信者?と言っていいくらいの。
彼女が「ふー」のおどけた表情や指揮ぶりをマネて、部員らと盛り上がっていたものです。
「ふー」とよく一緒にいる私に対し、「妬けちゃう~」と口にしていました。
「ふー」の不在により私が練習メニューを指示した際も、最も私にきつく当たったのは彼女でした。
そのYさんが発した言葉を聞き、「(つらかった努力が)報われた。認めてもらえた。」という思いが、湧き上がったのです。
「ふー」の行動に対する違和感も、そうとう大きなものがありましたが、
それ以上に、「報われた」という思いが大きかったのです。
続きをごらんください → 鮮やかさと混沌の中学時代「親友の死」⑮
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